信じること。
もうすぐクリスマス。
子どもの頃は、クリスマスが待ち遠しくてたまらなかった。
毎年決まって12月24日の夜はドキドキして過ごしていた。
寝る前には必ず窓をあげて夜空を見上げては、
もうそこまで来ているであろうサンタクロースを探し回っていた。
不思議だけど、外を眺めているとそりを引いたトナカイとサンタクロースが夜空を駆け巡っているように感じるし、鈴の音もどこかから聞こえてくる。
煙突がないから、玄関と窓はカギを閉めないようにとか、
そんなことを両親にお願いしていたように思う。
毎年いろいろなプレゼントがやってきた。
サンタクロースが25日の朝にやってきたこともある。
あとから聞くと、それは父の会社の後輩が役をかってでてくれたということ。
スキー道具一式がサンタクロースのトラックで運ばれてきたこともあった。
最後のプレゼントは小学4年生の時。
腕時計だった。
目を覚ましたら、クリスマスおめでとう!っていいながら、
父と母が手に腕時計をつけてくれた。
秒針が星の形になっていて、それまでみたどんな時計よりかわいくて、
時計をつけてなんだか急にお姉さんになったようで嬉しかった。
やっぱりお父さんとお母さんがサンタクロースだったんだとわかって、
ちょっぴり笑いながら、でも何となく少し寂しい気もした。
きっと、3つ上の姉は既にそのことを知っていたのかもしれない。
そう思うと、ちょっぴり恥ずかしい様な気持ちもしたのを良く覚えている。
大人になって、今度はサンタクロースに扮する大人をよく目にするようになる。
何がほしいのか一生懸命聞き出したり、師走の忙しい合間を縫って、プレゼントを買いにいったり。それをどこか見つからない場所に隠したり。
そうして、25日の朝を迎える。
大人になって、やっぱりサンタクロースはいるんだよなっと改めて思う。
大人になった今サンタクロースからのプレゼントはもう来ないけれど、
なんとなくクリスマスはワクワクする。そして幸せな気分にさせてくれる。
サンタクロースはいるんだよなーっと信じて外を見上げたら、
今でもちゃんと鈴の音が聞こえてくる気がする。
ヨガのなかでもすごく大切にされている信じるということ。
数千年前に書かれたヨーガスートラにも書かれている大切な教え。
昔の人はちゃんと幸せに生きる方法を知っていたんだよなっと。
大人になるにつれてついついどこかに忘れてしまうきもち。
小さな子どもたちがサンタクロースを信じて疑わないように、
何かをまっすぐ信じるきもち。
そういう気持ちはきっと素晴らしいプレゼントを運んできてくれる。
それは「モノ」じゃなくて、もっと自分に幸せを与えてくれるもの。
それがサンタクロースがくれたいちばんのギフト。